【アイドルソングを咀嚼する】CANDY ~Can U be my BABY~

※ブログを新しく始めるにあたって、過去のブログで書いていたこの記事だけを再投稿しています。この記事は2016/07/25に書いたものです。

 

 

宇宙を背負い地球を回す、ジャニーズ第0話のアイドル、Sexy Zone

そのSexy Zoneの中でもキラキラ光る、誰よりもラブホリな王子様、中島健人の作詞したソロ曲「CANDY ~Can U be my BABY~」。

曲名からしてハッピーでケンティワールド全開な曲となっているが、そんな中島健人だからこその誰にも代えられない曲のひとつだ。やはり、中島健人はすごい。

 

アイドルという人生のステージがあって本当に良かった。彼はアイドルを行為として「する」のではなく、この世界を現実を生きる「実像のアイドル」だ。

 

作家の朝井リョウ氏が「信じている神が違う」と言ったことも本当にうなずけます。

 

何て言葉にすればいいかわからなくて、私はずっとケンティに合う言葉を探してたんですけど、見つかりました。「信じてる神が違う」。ケンティだけ、信じてる神が違うの、私達と。(中略)信じてる神が違うから、行動原理が違うんだよね。

                (出典:朝井リョウ「真夜中のニャーゴ」より)

 

 

彼ほどの正統派王子様ってなかなかいないと思います。いいや、そもそも正統派とはなんだったのか。誰に憧れていても彼は彼で。

嘘なんかじゃない。

彼は、常に真実をつくっている。

 

さて、やや長くなりましたが、

「CANDY ~Can U be my BABY~」の考察(という名のオタクの深読み的娯楽メモ)を今回は書いてみました。

 

CANDY ~Can U be my BABY~

作詞:中島健人 作曲:Samuel Waermo

 

CANDY (LOVE KENTY!)
Can U be my BABY ? (LOVE KENTY!)
 
CANDYとは甘味でコロンと小さく可愛らしくて、それはたったひとつで、数え切れないもののイメージがある。
「僕のものになってくれないか?」という意味合いとの掛け合わせ、さらには自らの愛に満ちた愛称も韻を踏んでいますね。中島健人の言葉遊びは本当に楽しい。
 
I'll be there ついに接近
魅了されたよ You're charming
敵わない まぶしすぎて
まだ僕のものじゃないから
誰もみたことない世界 連れて行くよ
It's sweety time I'll kiss you
 
「I'll be there ついに接近」→「そして、やっと君に近づけた」。
何でしょう、この、今始まったばかりの物語の導入のはずなのに、そういう意味合いだけではなく、まるで中島健人は「君」をつまりは「あなた」をずっと知っていて待ちかねていたかのような。
一人きりで待っていたかのような。
「まだ僕のものじゃないから」には中島健人という人の嫌味でないロマンチックな言葉。
まさにキラッキラの世界でしょう、白い光の中に様々な色をしたCANDYがいっぱい詰まっているような、そこは甘くて美しい中島健人の世界。
甘い時間が始まる。その始まりとは、中島健人からのキスである。
 

Candy give it to me

Baby もっと欲しい
君を 君を 一人占め
Candy gimme a chance もう限界
言ってみよう 好きと Go!Go!Go!
Crazy about you

 
中島健人はカラフルな世界へ連れて行ってくれる。けれども「君」が中島健人にとっての一等特別なCANDYなのである。
その世界はうるさいくらいに愛に溢れている、だってあなたと中島健人だけの世界なのだ。
「言ってみよう 好きと Go!Go!Go!」。
愛にまみれた世界でも、まだまだ口に出して好きという気持ちを発信したいということ。
そして「僕を好きでいて。もっともっと好きでいて。何度でも言って。僕も君が好きだよ」という、ときめきだけではなく器の大きさ、まっすぐ向かっておいでという「中島健人という存在の覚悟」を感じさせる。
 

 

CANDY (LOVE KENTY!)
Can U be my BABY? (LOVE KENTY!)

 

トキメキ 止まらない
君だけだから I'll never lie to you
Chuして! 夢の中 You wii be mine
僕じゃダメなのか?
君が泣いてる時間 笑わせるよ?
I'll be your CLOWN
 

そしてその世界は束の間の夢の世界なのだろうか、「Chuして!」なんてハッピハッピなことをそれでもいうのだ。

それから中島健人はあなたが悲しむ時間は笑顔の時間に変えてくれるという。

CANDYのCLOWN。王子様はピエロにもなれるようだ。

そしてその世界はただの夢ではなかった。「愛の時間のスタート」。

 

It's time to love
Candy kiss me honey
Baby お願い!
溶けてしまうその前に
Candy 恋すれば
You're my sweetie pie
言ってみよう 好きと Go!Go!Go!
I'm loveholic
 
キスはときめきで幸福な世界の戯れの一つで、さっきからめちゃくちゃお願いしてくるので甘えてきているのかと思いきや
「Baby お願い!
溶けてしまうその前に」。
CANDYとは君であり中島健人との時間であり恋とか愛とか、そういうたくさんの幸福な気持ちが色とりどりの存在である。つまりは「この二人の世界」。
溶けてしまうというのは、とろけてしまう甘さのせいだけではないように感じさせる。
そしてあれだけCANDYだと言っていたはずなのだがあなたは恋すると中島健人にとっての甘いパイにもなるようだ。つまり、あなたは中島健人にとってコロコロと姿を変えることができる甘やかな存在。食べてしまいたくなるような。
 
ラブホリをきちんと自称してくれるところも大好きです。
 
CANDY (LOVE KENTY!)
Can U be my BABY? (LOVE KENTY!)
 
You like a candy cane
甘いミント flovorした
red,green,white,pink&yellow
どんな甘いcolorful sweetsよりも
You're my sweetest
奇跡なCandy oh!
 
なぜここが切ないのかわかりました。
本当に個人的で申し訳ないのですが、夢の中で匂いを嗅ぐことは切なくないですか?
私は切ないです。目覚めた後もおぼろげで、しかし確実な香り。しかし輪郭はない。
中島健人はあなたのミントの香りにハッとするんです。
そして探し出す、たくさんのCANDYの中からあなたを探し出す。
しかしそれはできない。
なぜならばその全てのCANDYが中島健人にとってのあなたなのだから。
ガラスの靴を履いたシンデレラを目の前にしたポップな王子様みたいですね。
「奇跡なCandy oh!」。
このあたりでは大文字ではないところも本当のcandy(飴玉)の中にいる中島健人を想像させます。
 
It's time to love
Candy kiss me honey
Baby お願い!
溶けてしまう その前に
Candy 恋すれば
You're my sweetie pie
言ってみよう 好きと Go!Go!Go!
I'm loveholic
 
なんて切ないんでしょう。リズムがまるで鼓動の音のよう。
中島健人との恋をしているはずなのに、まるで「君」、あなたと誰かの恋の始まりを応援するようにも感じます。「恋は素晴らしいよ」と。鼓動のような音は、もうじき溶けてしまう中島健人の悟りの音にも聞こえる。
 
本当にシンデレラのそれである。
中島健人(ケンティ)は王子でもあるが、シンデレラ(ファン、あなた)はなんやかんやで恋して誰かと結ばれるのである。しかし中島健人にとっては確かに漕いであり、それと共に、誰とも恋をしていないような。
 
シンデレラ(ファン、あなた)が仮に「王子様」を他の好きな人ではなく「中島健人(ケンティ)」としたとしても、
王子ケンティはアイドルで、魔法使いは中島健人の本質と憧れなのではないだろうか。
あなたにこのような世界を見せてくれる彼は紛れもなく魔法使いである。
 
魔法使いは王子様にはなれないのだ。
 
 
CANDY (LOVE KENTY!)
Can I be UR boyfriend? (LOVE KENTY!)
CANDY (LOVE KENTY!)
Can I be UR boyfriend? (LOVE KENTY!)
Can you be my baby? 
 
「僕のものになってくれる?」だったところが
「僕を君のボーイフレンドにしてくれる?」に変わっている。
それを繰り返す。
キラキラと、美味しい色をした飴細工のメリーゴーランドが止まり、音にもブレーキがかかる。
 
夢の終わりの音である。それでいて幸福な。
もう一度再生すると何度でも中島健人はあなたを迎えに来る。幸福な世界へと連れて行ってくれる。あなたを一心に愛している。
 
中島健人のラブホリキラキラアイドル王子様ソングは、このような切なさも確かに感じさせたということだ。少なくとも、ここに一人。
彼にしかできないことだし、彼だからこそCANDYなのだ。